志村季世恵のオフィシャルBLOG

大晦日

お世話になった方や、大切な方に、ありがとうを言う日にしています。

病気や苦しみを１人で抱えている人に一人じゃないよって
お電話したりお会いしてお茶をする日でもあります。
新しい年を迎える…
本当は今日の続きがまた翌日に繋がるだけなのだけど、
でも何だか特別なんです。

元気な時や、いつもと変わらない時は
新しい年を感じ迎えることができる。
だけどそうではないと、その神々しい幕開けについていけないよね。
そんな時は今をただ静かに過ごしてほしいのです。
前なんて見なくていいから。
今日は静かに。明日も静かにひっそりと。

 一昨年はまだ会って二回目の方と大晦日を過ごしていました。
末期ガンの女性です。身寄りのない彼女はお友達に付き添いを頼み
病院から出て自宅に二泊の外泊しようとしました。
でも頼みのお友達が来なかった。
偶然と言ってもいいような通りすがり的な私が、
たまたまそんな彼女の事情を知り急遽お友達になり、
一緒に彼女のマンションへ行き私もお泊まり。

 見知らぬ女同士紅白歌合戦を観ながら年越し蕎麦を食べ過ごす。
時折吐き気や咳の発作に背中をさすり、そして痩せた彼女を
抱えてお風呂に入れて、まるで女子高生みたいに話をして一緒に眠る。
そして迎えた初日の出。

 「太陽は今日が初日の出ってきっと知らないわよね」って笑って、
でも手を合わせてた。
そして、ゆっくり振り返り私に「ありがとう」って。
そう太陽は知らないの。
私達がどういう気持ちで1月1日を迎えたいだけだから。

だけど出来ることなら大晦日は、
ありがとうって言えるといいな。
頑張って一年過ごした自分の体。
そして関わった人に感謝して。
そして同じように新しい年もありがとうって
迎えられたらいいね。

するとね、何だか幸せな気持ちが
ゆっくり芽生えてくるんだよね。

 

 

 

光がハートみたいに
見えたよ！

 

 

 

 

最後になってしまいましたが、あらためてご挨拶。

 
私に関わり私を支え愛を与えてくださったあなたへ。
今年もありがとうございました

 

活躍する仲間たち！

週末の二日間私は友人達の活動に感動していました。
昨日は西荻窪のホビット村で中野民夫さんと上田紀行さんが対談。
テーマは「やさしいかくめい」。あぁ、もうタイトルだけ読んだって
何となく言いたいこと伝わってきますよね。
中野民夫さんこと民ちゃんは、私の最も尊敬している友人であり仲間。

 

 

 

 

 

 

文化人類学者である上田紀行さんは民ちゃんの学生時代からのお友達で名著も数知れず。私は上田さんのお話もとても好きなのですが、話だけではないの。行動もすごいの。

以前、パーティーでご一緒した時に酔っぱらいの喧嘩を紀行さんが止めに入ったことがあるのです。その時の止め方が素晴らしかったのです。喧嘩している二人の間に入り
否定や批判でない、その穏便な紀行さんの温かく愛ある諭し方に本気で
感動したことがあります。
民ちゃんも紀行さんと同じ。やはり人への向き合い方が誠実です。
そんな二人の対談は、まさにやさしいかくめい。心が熱くなりました。
「やさしいかくめい」は9月からスタートし来年3月で終了。
月一のイベントですが、最後の回は私がゲストなの。最後だけあって、
なかなかなテーマですよ！

ご興味ある方は下記へアクセスしてみてください
http://www.nabra.co.jp/hobbit/#01

昨日は対談後の打ち上げに参加し少し飲み、

そして、良い友達がいることを
幸せに思いつつ、明け方まで金井さん(ダイアログの代表)と、
名実ともに「やさしいかくめい」である「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」http://www.dialoginthedark.com/　のお仕事をしました。
で、少し寝て、さて今日は、なんとお味噌の試食会で川口に。

実は私、今年の初めに友人のけいちゃんのお宅に行き、

けいちゃんから味噌作りをご指南頂いたのです。

けいちゃんの家には土間があり釜戸まで。
そこの釜戸で大豆を茹で、

豆をつぷし麹と塩を入れまぜまぜし容器に入れ、
そして11ヶ月経った今日、各家庭で熟成された

お味噌を持ち寄りけいちゃんのお家に再度結集し、

手前味噌自慢大会をしてきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

けいちゃんは助産師。

東京近郊なのに豊かな自然に恵まれた農家に嫁入りし、
心豊かな暮らしをしています。
ヤギを二頭飼い畑の雑草を食べさせエコ暮らし。

味噌に入れる麹も手作り。
梅干しも、お餅も手作り。

そんな中で年に数回ワークショップをし、私達や、
妊婦さんに自然と仲良しな暮らしを取り戻させてくれるのです。

 

 

 

 

味噌作りで一緒だった仲間と再会し、
持ち寄ったお味噌を食べ比べてみると…。
 

作り方は一緒だったのに各家庭に置くと発酵も違うのね。
味がみんな違っていて面白いの。

 

けいちゃん今年も幸せを

いっぱいありがとう。

お世話になりました。

 

けいちゃんのブログは
http://maternitycafe10.blog134.fc2.com/

真っ暗がまぶしい

これは表参道のイルミネーション

以前は拙宅の小さな庭の木にかなり大がかりな仕掛けをし、

イルミネーションをしていたっけ。

訪れてくる患者さんに少しでも安らいだ時間を持って

ほしくて一生懸命飾ってましたご近所も美しくライトアップ。

なので家の前の道を散歩コースに選ぶ方も多くいたようです。

 

今はどうしているのか…？

今はね、もっと素敵。ダイアログインザダークの中に

見えない明かりを灯しているのだもの

 

ダイアログのクリスマスって

「みんなの幸せを願う」がテーマなの。

 

自分や自分の恋人だけの幸せから外に少しだけ拡大させてみる。

みんながみんなの幸せを考えてみたら、すごく素敵なことになるでしょ。

 

そんな世界に自分の大切な人が住んでいる…。

なんてことを考えたわけです。

 

 

見えないクリスマス。真っ暗がまぶしいの。

 

ところで皆さんはサンタクロースを信じてる？

私はね本気で信じています。

 

 

ラプンツェル

これは私のお友達内田也哉子ちゃんが書いた

絵本「ラプンツェル」の表紙。
グリム童話を新しく書き直したものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

也哉子ちゃんと出会ったのは10年くらい前。

私よりずいぶん年下なのだけれど

年齢差を感じさせない成熟した精神を持つ美しい女性です。

一緒に遊びながら一冊の共著「親と子が育てられるとき」を出し、
また彼女の作品「会見記」という本の中には私の幼少期まで登場しています。
そういえば「いのちのバトン」の帯も

也哉子ちゃんが書いてくれたのでした。

昨日は、その新しい絵本「ラプンツェル」の出版記念イベントがあり
私も行ってきました。

素敵。素敵。セロ演奏に合わせて也哉子ちゃんの朗読

 絵本の中、王子様がラプンツェルに求婚する台詞がたまりません。
(もったいなからここでは言わないでおくね！)とにかく美しい言葉。
彼女の作品にはいつもそんな魔法の言葉がちりばめられています。

今回は絵本の帯にまで美しい言葉が呪文のように綴られ、
それに触れた時、痺れて目眩。
帯の表に「彼女はいつもひとりだった」とあり、
裏には「かけがえのない人を想いつづける、それぞれの孤独」と書いてあります

 
私は昨夜その言葉にあたり眠れなかった…。

昔、也哉子ちゃんは「私の心には穴があいているの。
虚しいという穴ではなく空のような果てしない穴」と言っていたっけ。
そういえばその言葉を聞いた時も一晩中眠れなかった。

私の胸にもある穴。その穴の輪郭を彼女の言葉がきれいになぞり、
それを浮き彫りにしたからだ。
也哉子ちゃんの穴も私の穴も多分ずっと塞がらない。

私は、かけがえのない人を想いつづけ孤独の海に呑まれたままだろう。
でもそれは決して不幸ではない。この穴は私を完成させない。
でも澄んでいて、時折、清涼な風さえも、おくりこんでくる。

もしかしたら私と同じ人はまだ近くにいるかもしれない…。

3．5メートルの距離

体調を崩し今日は一日お休みをいただきました。

 

本日の私のカウンセリングを受けるためにご予約して頂いた方。

ダイアログのスタッフの皆さん。

そして更には夜のカウンセリング講座

受講生の皆さん予定をくるわせてしまってごめんね。

 

何する力もなく、ただ寝ていると、

まだ小さかった頃の自分を思い出したりして…。

 

こどもの頃の私はね、病気の問屋とまで

言われるくらい体が弱くて

一週間に一度は40度前後の熱を出していました。

 

誰かが側にいて看病ということはあまりなく、

その代わり毎回、黒べェーという黒猫と三毛猫のミケが

私の部屋の前で、私を心配そうに見守ってくれていました。

 

母は猫が寝室に入ることは許さず、入ればたいそう怒ったので

二匹は忠実に言い付けを守り部屋が空いていても

ふすまの前でじっと座って私を見ています。

 

母の姿もなく、そっと私が手招きしても、決して入ってきません。

何だかせつなくて可哀想で、せめて手だけでもと布団から

腕を出して猫に向けて寝ます。その距離3、5メートル。

 

私が起き上がれるようになるまで黒べぇーとミケは襖から決して離れない…。

なんとか早く元気にならなくちゃ。待っててね。待っててねって呟く私。

それにしても動物って優しいね。

二匹は私のお母さんであり、お友達でした。

 

今日はね、私の患者さんが待ってくれてます。

欝で苦しいでしょうに。私を案じ待ってくれてます。

応援メッセージまで頂きました。人って優しいね。

 

今日の写真はね、デザートスプーン等のセット

  

私がターミナルケアに行く際に使ってくださいってプレゼントして頂いたの。

 

最期の頃は好きなものをほんの少ししか食べれない。

アイスクリームや果物などのスイーツを一口だけ食べる時に、

せめて美しいスプーンやフォークに乗せて口に入れてあげてくださいって私に。

なんて美しいお心遣いなのでしょう。

 

私を案じてくれた二匹の猫はもういないし、

3．5メートルの見守り距離は家を越え更に伸ばしてはいるけれど、

こうして誰かに見守って頂いているというのは幸せなことです

 

それにしても今回きついなぁ。

今夜は私がこのスプーンでアイス食べたい