これは私のお友達内田也哉子ちゃんが書いた
絵本「ラプンツェル」の表紙。
グリム童話を新しく書き直したものです。
也哉子ちゃんと出会ったのは10年くらい前。
私よりずいぶん年下なのだけれど
年齢差を感じさせない成熟した精神を持つ美しい女性です。
一緒に遊びながら一冊の共著「親と子が育てられるとき」を出し、
また彼女の作品「会見記」という本の中には私の幼少期まで登場しています。
そういえば「いのちのバトン」の帯も
也哉子ちゃんが書いてくれたのでした。
昨日は、その新しい絵本「ラプンツェル」の出版記念イベントがあり
私も行ってきました。
素敵。素敵。セロ演奏に合わせて也哉子ちゃんの朗読
絵本の中、王子様がラプンツェルに求婚する台詞がたまりません。
(もったいなからここでは言わないでおくね!)とにかく美しい言葉。
彼女の作品にはいつもそんな魔法の言葉がちりばめられています。
今回は絵本の帯にまで美しい言葉が呪文のように綴られ、
それに触れた時、痺れて目眩。
帯の表に「彼女はいつもひとりだった」とあり、
裏には「かけがえのない人を想いつづける、それぞれの孤独」と書いてあります
私は昨夜その言葉にあたり眠れなかった…。
昔、也哉子ちゃんは「私の心には穴があいているの。
虚しいという穴ではなく空のような果てしない穴」と言っていたっけ。
そういえばその言葉を聞いた時も一晩中眠れなかった。
私の胸にもある穴。その穴の輪郭を彼女の言葉がきれいになぞり、
それを浮き彫りにしたからだ。
也哉子ちゃんの穴も私の穴も多分ずっと塞がらない。
私は、かけがえのない人を想いつづけ孤独の海に呑まれたままだろう。
でもそれは決して不幸ではない。この穴は私を完成させない。
でも澄んでいて、時折、清涼な風さえも、おくりこんでくる。
もしかしたら私と同じ人はまだ近くにいるかもしれない…。
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